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法律コラム
2022.02.04

特別の寄与の制度について

遅くなりましたが、本年初の法律コラムです。本年もどうぞよろしくお願いします。

相続問題において、相続人の中に、被相続人の事業に財産や労務の提供といった形で貢献したり、介護等をして貢献した人がいた場合、その人の働きに報いてやるように、多めに相続させるべきだ、と思う人が多いですよね?

 被相続人になる人がそう思ったら、そのような遺言を書くべきです。また、貢献している人も、ためらわずに、そういう遺言を書いてほしい、と頼み込むべきです。これは、相続人でも、相続人でない人でも変わりません。慎ましやかな人が多い日本ですが、これからは、ためらっていてはいけません。
 今回取り上げるのは、このような遺言がされないまま、被相続人が亡くなり、相続が開始された場合のことです。相続人の中にそういう貢献をした人がいた場合に、その人の貢献を評価して、相続分を多くする制度は、以前から設けられていました。これを寄与分の制度といいます。遺産分割協議の中で話し合ってもよいですし、家庭裁判所での遺産分割の調停や審判に併せて申し立てることにより、そのような判断がされる機会が得られていました。相続分を抜本的に変えるような割合で増やすわけではないのですが、多めに相続できる制度が設けられていました。
 しかし、例えば息子のお嫁さんが、お母さんの世話を一所懸命したという場合、お嫁さんはお母さんの相続人ではないので、この人の働きは息子の分として考慮するしかありませんでした。

 平成30年の相続法改正で、この息子のお嫁さん自身の働きを評価して、このお嫁さんに相続財産の一部を取得させる制度ができました。これが特別の寄与の制度です。

 この制度は、原則的に、相続の開始及び相続人を知った時から6か月以内に家庭裁判所に申立てをしなければなりません。

 また、寄与の内容は、療養看護その他の労務の提供をして財産の維持又は増加に貢献したことに限られます。
 詳しくは、次回に解説します。

 

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