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法律コラム
2022.04.27

遺言の日

少し過ぎてしまいましたが、4月15日は遺言(一般的にはゆいごんといいますが、法律家はいごんということが多いです。)の日です。これはよい(4)い(1)ごん(5)の語呂合わせだそうです。
高齢化社会となり、富の多くが高齢者に属している現状から、その方が亡くなると、近親者間で遺産相続争いが起きる例が増え、深刻な問題になっています。マスコミが好んで「争族」などと書き立てている今日この頃です。権利意識が高まることは悪いことではないですが、紛争は好ましいとはいえません。このような相続紛争を防ぐ1つの方法は、遺言の作成だと思います。もちろん、遺言により、完全に紛争の発生を阻止できるわけではありません。しかし、いずれ亡くなっていく方は、その後に相続人の間で紛争が起きないように配慮をしていかなければならないと思います。遺言はその重要な手段の1つといえます。
 遺言には種類がありますが、現実にはほぼ自筆証書遺言公正証書遺言のいずれかです。前者は簡便ですが、隠されたり、改ざんされたりする危険がありました。そのため、遺言者本人のものか、争われる可能性があります。また、自筆証書遺言では、全部を自筆で記載しなければならなかったので、財産がたくさんあると、この点がやっかいでした。この点、最近の法改正で、何点か、使いやすくする制度ができました。1つは、法務局に遺言書を保管するという制度です。これにより、法務局に保管されている遺言書はその存在を検索できるようになり、隠したり改ざんされたりする危険がなくなりました。また、自筆証書遺言では、家庭裁判所に検認という遺言書の確認を求める手続を取らないといけませんでしたが、上記の法務局に保管された遺言では、これも不要とされました。さらに、これも最近の法改正で、財産目録の部分はパソコン等で記載してもよいことになりました。ただし、目録のページごとに署名押印しなければならないなどの要件があります。
 ところで、自筆証書遺言では、弁護士という専門家の関与の下に作成されることは少ないのではないかと思われます。弁護士等の専門家の関与がないと、遺言には厳格なルールがあるので、無効になってしまうことがあります。この点、公正証書遺言では、弁護士が関与しない場合も、公証人が作成に関わりますので、内容に関していろいろな指導や支援が受けられます。無効になることは絶対ありません。遺言書保管制度においては、遺言書を画像でも保管するとのことで、封筒等に入れられていないものでなければなりません。とすると、法律上明確ではありませんが、日付が入っていないとか、署名や押印が欠けているというようなことは、法務局の職員から指摘されて、無効を防ぐ可能性が高くなったといえるのではないでしょうか。
 このように、最近の法改正で、自筆証書遺言も公正証書遺言に接近してきた面もあるといえます。
 ただ私のお勧めは、公正証書遺言です。公正証書遺言は、外見的にも、他の文書とは見間違いにくく、一目で公正証書遺言とわかるものになっています。
 遺言が存在するとどういうメリットがあるかは、次回にお話します。

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